【2026年版】「うちも対象?」キャリアアップ助成金の申請方法を社労士が実例で解説
キャリアアップ助成金は、中小企業に人気の高い助成金ですが、
「何から始めればいいの?」
「計画書はいつ出すの?」
「転換前に申請が必要なの?」
という質問をよくいただきます。
この記事では、実際の申請の流れに沿って、正社員化コースの申請方法をわかりやすく解説します。
登場人物紹介

30代経営者
最近キャリアアップ助成金というものを知り
うちの会社でも導入できるのでは?
と考えている。

助成金に強い社労士
助成金で悩んでいる経営者のもとに
突然現れる。
STEP1 キャリアアップ計画書を作成する

最近キャリアアップ助成金というものが
あると聞いたんだけどどうやればいいのかな…

いきなりすいません!
助成金について悩んでらっしゃいました?

え?
声に出てました?!

安心してください。
声には出てませんでしたよ。
表情には出てましたが(笑)

そんなに表情に出てましたか💦
悩んでいたというか
内容を知りたい助成金がありまして

どんな助成金ですか?

キャリアアップ助成金です!

なるほど
この助成金は事前準備が非常に大事なので
6ステップで見ていきましょう!

はい。
お願いします!

まず最初に行うのが
キャリアアップ計画書の作成です。

計画書ですか…?
どんなことを書くのでしょうか?

この計画書には、
- 対象となる労働者
- キャリアアップの内容
- 実施予定
などを記載します。
以前は認定が必要でしたが、
現在は届出のみとなっています。

こちらが厚生労働省のサイトになります。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite
/bunya/0000118801_00021.html

確認してみます!
STEP2 就業規則を確認する

御社は就業規則はありますか?

ありますよ!

それではその就業規則に
- 正社員への転換制度
- 転換時期
- 転換方法
などが定められている必要がありますが、
記載はありますか?

ないと思います。
ないと申請ができませんか??

ご安心ください。
転換前までに整備をすれば
大丈夫です。

転換前??
とはなんですか?
転換前とは?転換前のチェックシートも紹介

有期雇用(または無期雇用)の従業員が、
正社員になる前の期間を指します。

なるほど
じゃあまだ間に合いますね。
ほかに転換前にすべきことは
ありますか?

ありますよ!
転換前のチェックリスト
お伝えしますね!
キャリアアップ助成金「転換前チェックリスト」
正社員へ転換する前に、次の項目を確認しましょう。
□ キャリアアップ計画書を提出した
正社員へ転換する前に、キャリアアップ計画書を労働局へ提出します。
□ 就業規則に正社員転換制度がある
就業規則に次の内容が規定されているか確認します。
- 正社員への転換制度
- 転換の対象者
- 転換時期
- 転換方法
規定がない場合は、転換前までに整備しましょう。
□ 対象者が助成金の要件を満たしている
対象者が助成金の対象になるか確認します。
例えば、
- 有期雇用労働者である
- 一定期間以上雇用されている
- 正社員として継続雇用する予定
などの要件があります。
また、重点支援対象者に該当するかも確認しておきましょう。
(※重点支援対象者につきましては後日紹介します)
□ 転換日を決めた
転換日は助成金のスケジュールに大きく影響します。
無理のない日程を設定し、社内で共有しておきましょう。
□ 正社員用の労働条件通知書(雇用契約書)を作成した
転換後の
- 基本給
- 諸手当
- 労働時間
- 賞与
- 退職金制度
などを整理し、書面を準備します。
□ 賃金アップ要件を満たしているか確認した
正社員へ転換するだけでは助成金の対象になりません。
転換後の賃金が、助成金の要件を満たしているか事前に確認しましょう。
□ 必要書類を保管する準備をした
申請時には、
- 出勤簿
- 賃金台帳
- 雇用契約書
- 労働条件通知書
などの提出を求められます。
転換前から書類を整理しておくと、申請がスムーズになります。
最終チェック
☑ 計画書提出済み
☑ 就業規則整備済み
☑ 対象者確認済み
☑ 転換日決定
☑ 労働条件通知書作成済み
☑ 賃金アップ確認済み
☑ 必要書類管理OK

これが転換前のチェックリストに
なります。

この7項目をクリアしてから正社員へ転換すれば、
助成金申請に向けた準備は整ったといえるでしょう。

なるほど
このチェックリスト参考に
していきたいと思います。
やること多いよ!と思われた方
アメリオレ社会保険労務士事務所にお任せください。
STEP3 対象者が助成金の要件を満たしているか確認

次に特に確認してもらいたい
ポイントですが、
- 有期雇用労働者であること
- 通算6か月以上雇用されていること
- 雇入れ時から正社員へ
転換することが確約している契約ではない - 就業規則に基づいて転換すること
近年は重点支援対象者に該当するか
どうかも重要です。

正社員に転換することが
確約されていてはダメなんですね。

そうですね。
正社員になる予定が
あるのはいいですが、
例えば
「6か月後に必ず正社員になります」
「試用期間が終われば自動的に正社員です」
というように、正社員化が雇入れ時から
確定している制度だと、
助成金の対象にならないことがあります。
STEP4 正社員へ転換する

準備が整ったら就業規則に基づき
・辞令
・労働条件通知書
・雇用契約書
などを作成し、正社員へ転換します。

なるほど。
事前準備がかなり大事ですね。

そうですね。
この準備を怠ると不支給に
なってしまう可能性があります。

気を付けたいと思います。
ちなみに正社員にする際に
他の要件はありますか?

あります!
重要なポイントを
伝え忘れるところでした💦
ナイス質問です!

あ、はい。(笑)

賃金なんですが、
助成金の要件を満たす増額が必要になります。

賃金の増額ですか、
どのぐらい増加しないと何ですか?

これも重要な要件なので
詳しく説明していきますね。
賃金増額要件

現在の正社員化コースでは、
転換後の基本給や定額で支給される手当を基に、
原則として3%以上の増額が求められます。

3%ですか。
これには残業代とかも
含めていいんですか?

いい質問です!
「3%アップ」と聞くと、
- 時給を3%上げればOK
- 総支給額が3%増えればOK
と思われがちですが、そうではありません。

そうじゃないんですね。
どんな賃金が含まれるのでしょうか?

実際は、助成金の支給要領に
基づいて賃金を比較します。
そのため、
- 基本給
- 職務手当など毎月固定で
支給される手当(比較対象となるもの)
などを基に比較し、
残業代や通勤手当などは通常、
比較対象には含めません。

含められる賃金は決まって
いるんですね。

そうなんです。
【注意】
「3%以上アップ」は総支給額ではなく、
助成金のルールに基づいて比較されます。
基本給や比較対象となる固定的賃金を
中心に確認する必要があるため、
事前にシミュレーションしておくことを
おすすめします。

実際は3%上がっていなかった
というケースもあるので注意が
必要です。

注意深く確認したいと思います。
STEP5 転換後6か月間賃金を支払う

正社員へ転換後はなにか行うことは
ありますか?

あります。
転換して終わりではなく、
転換後6か月分の賃金を支払い、
その後に支給申請を行います。

なるほど
転換後も重要ですね。
他にも行っておくべきことは
ありますか?

後は書類関係ですかね。
この期間中は
- 出勤簿
- 賃金台帳
- 雇用契約書
などをきちんと保管しておきましょう。

わかりました!
STEP6 支給申請

いよいよ支給申請になります。
6か月分の賃金を支給した後に、
労働局へ支給申請を行います。

この支給申請での提出書類は
なんですか?

支給申請時の主な提出書類
✅ 支給申請書一式
✅ 労働条件通知書(転換前後)
✅ 出勤簿
✅ 賃金台帳
✅ 賃金比較資料
この辺りになります。
※ほかにもケースによっては
他の書類も提出を求められる可能性も
あります。
よくある失敗

ちなみに助成金受給失敗には
どんなものがありますか?

そうですね。失敗を知るのは
気を付けるポイントにも繋がり
大事ですね!

・計画書を提出せず転換してしまった
・就業規則に転換制度がない
・賃金増額要件を満たしていない
・転換時期を間違えた
・必要書類を保管していない
これらは不支給につながる
代表的なケースです。

どれも気を付けないとですね。

そういった不安を解決する意味でも
社労士に依頼するのも一つの方法です。
キャリアアップ助成金の書類確認してほしいなど
お気軽にご相談ください。
最後に

キャリアアップ助成金は、
制度自体は比較的シンプルですが、
タイミングを一度間違えるだけで
助成金が受給できなくなることがあります。

今回のお話を聞いてタイミングが
とても重要なことはわかりました。

「あとで申請しよう」と考える前に、
転換前の準備が最も重要です。

うちの会社でも取り入れたいので
今後ともよろしくお願いします!

こちらこそいきなり現れたのに
しっかり話を聞いてくれて
ありがとうございました!
キャリアアップ助成金の流れは次の6ステップです。
- キャリアアップ計画書の提出
- 就業規則の確認・整備
- 対象者の要件確認
- 正社員へ転換
- 転換後6か月間賃金支払い
- 支給申請
事前準備をしっかり行えば、スムーズに申請を進めることができます。
他の助成金や人に関する悩みなど含め
お気軽にご相談ください。
ここまで読んでいただきありがとうございました!

